絶賛モラトリアム人間

これからの人生どうしようかなって

「黒川」という駅

僕が大学を卒業してから、はやくも5度目の桜が咲こうとしている。

転職をしてからまま順調であり、体調も崩すこともなく日々を過ごしている。

 

現職に就いてから紆余曲折あったものの、僕は日曜日の休みを獲得することに成功した。獲得するというよりは棚からぼたもちのきらいが強いが。

 

先日旅行に行ってしまったために金銭も乏しいが、せっかくの休日をゴロゴロと無為にするのも良くないと思い、小田急のスタンプラリーに参加することにした。

 

台紙を駅で受け取り、全部で15箇所の駅を巡ってスタンプを押印する。至極簡単。

そして当たる景品も割と豪華で、当選人数は少ないのだが興味はそそられるものだった。

 

昼前に出発し、夕方17時頃には全部回りきる予定を組んでいた。

 

そしてラスト2駅というタイミングで訪れたのが「黒川」

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僕は個人的にこの黒川という駅を勝手に敬遠していた。別に通勤で使う訳でもないし、特に商業施設がある訳でもない。

 

ただ、大学時代の先輩の苗字だから。それだけだ。

 

その先輩はサークルのひとつ上の先輩で、容姿端麗、愛想もよく、社会人の彼氏がいるという、文句のつけ所がない人だった。

 

特別意識していた訳ではないが、まだ恋愛経験乏しかった僕はその先輩に話しかけられる度に舞い上がっていたように感じる。

 

今となっては先輩は時々某塗り絵対戦ゲームをやる程度の仲だ。

 

そんな因縁(もっと良い言い方がある)の黒川に初めて降り立った。

 

ざっくり言うと僕の好みの駅だった。多摩丘陵を開拓した面影残る駅前、なぞのだだっ広い空き地、構内に流れるクラシック、人の少なさ。

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この広葉樹と管理されていないモウソウチクが繁茂する丘陵の成れの果ての風景が僕の好みに刺さる。

 

永山や多摩センター付近の開発し尽くされた団地の数々やペデストリアンデッキも、小山田の開発以前の姿を残しているのも、それはそれで良いのだが……。

 

駅前という開発された場所に、忽然とここが多摩丘陵であったという風景が入り交じるのが、またいい。

 

かくして黒川への一方的な苦手意識は消え、なにか機会があればまた赴くかもしれない。

 

 

恐らく行かないが。